平成時代の大相撲の名勝負は?

江戸時代から続く大相撲ですが、各時代それぞれに名勝負がありました。

平成時代の名勝負といえば、1991年5月場所初日の貴花田対千代の富士戦です。

名勝負

大関として人気力士だった貴ノ花を父に持ち、横綱であった初代若乃花を伯父に持つ貴花田は、その恵まれた体格と素質で、1990年5月場所に、17歳8ヶ月という若さで新入幕を果たしました。

その後十両に陥落しましたが、同じ年の11月場所で幕内に復帰しました。翌年の1991年3月場所では、東前頭13枚目でありながら、初日から11連勝を記録するなど12勝3敗の好成績を挙げ、敢闘賞と技能賞を受賞する活躍でした。
そして5月場所、西前頭筆頭まで番付を上げた貴花田は、初日でいきなり横綱千代の富士と対戦します。

千代の富士といえば、昭和以降の記録としては歴代3位である53連勝や通算1000勝の達成、31回の幕内優勝、大相撲初の国民栄誉賞の受賞など、まさに昭和の大横綱でした。千代の富士が関脇だった1980年11月場所で、貴花田の父である貴ノ花に勝利しており、敗れた貴ノ花は引退を決意したと言われています。

行司

父を引退に追い込んだ相手との対戦ですが、貴花田は臆せず正面からぶつかっていきます。一進一退の攻防の末、こらえきれずに引いてしまった千代の富士を、貴花田はそのまま寄り切って勝利しました。
18歳9ヶ月という史上最年少での金星獲得に、場内は座布団が舞うほどの大興奮でした。

この敗北で、自らの力の衰えと若手の台頭を実感した千代の富士は、2日後に引退を発表します。その後貴花田は貴乃花となり、22回の幕内優勝を達成して、平成の大横綱と呼ばれるまでになるのですから、まさにこの取り組みは、大相撲の歴史の転換点であるといえます。