大相撲における一門の役割

日本の国技とされる大相撲ですが、そこで活躍する力士たちは、親方と呼ばれる指導者が運営している部屋に属して日々の鍛錬を積んでいます。

この部屋は全部で50近い数がありますが、それらはいずれも一門と呼ばれる派閥に所属しています。

具体的には、二所ノ関一門、出羽海一門、時津風一門、高砂一門、伊勢ヶ濱一門という5つが伝統的な一門と言われており、歴代の理事長はいずれかの一門から排出されています。

この一門の最も大きな役割は、大相撲を運営している日本相撲協会の理事を決めるということです。理事は内部理事と外部理事からなり、最大10名の内部理事が年寄りと呼ばれる親方衆から選ばれます。

一門に所属

選出にあたっては選挙が行われるのですが、かつては各一門から1、2名ずつ候補を出して無投票で理事が決まるという時代が長らく続いていました。近年になって実際に投票が行われることが多くなっていますが、その際も出身元の一門の支持を得られるかは当落を左右する重大事となっています。

また、一門内で連合稽古が行われることも多く、横綱や大関を多く抱える一門に属する力士は、それだけ上位陣と一緒に鍛錬する機会に恵まれているということも言えます。さらに、協会から各部屋に支給される助成金も、一門を経由して支払われることになっているため、一門に入っていることは部屋にとってのメリットも大きいものがあります。

何かと話題になることが多い一門制ですが、以上の役割を理解しておけば、より大相撲を楽しむことができることでしょう。